オーロラ ストーリーズ

自然のままのオーロラが見たい
光害のないユーコンのツンドラ地帯で

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「晴れてくれ、晴れてくれ」

夕方にキャンプ場で食事をとる。といってもホワイトホースで仕入れたインスタントラーメンにウィンナーソーセージと、袋詰めシーザーサラダのカットレタスを入れただけだが、山で食べるとこれが美味しい。ホワイトホースでは日本や韓国のインスタントラーメンも入手でき、私が好きだったのは袋詰めの「サッポロ一番」(日本と同じ味)とカップの辛ラーメン、でもカップヌードルは北米向けに味付けや食感が変わっていて今ひとつだった。

そして早めに目をつけていた池のほとりに行く。トゥームストーンではたえず帰路のガソリン補給を考えながら車での行動をしないといけない。なのでロケハンで使うガソリンも最小限にするか、ロケハンしたら片道80kmを走ってドーソンシティまで行って補給してこないといけない。

今回は写真家でもあるガイドのTomohiro Uemura さんの情報がロケハンの時間の短縮に非常に役立った。写真家の目で見た情報は何よりも確実で、地図やインフォメーションセンターでは判らないことまで気配りされているからだ。

撮影地に着いたら、雲はまだ多く残っていたが、少し切れ目が現れていた。このままだと、雲の切れ目から少しだけオーロラが撮影できるかな、といった感じだった。そして暗くなるにつれて星が現れてくる。 トゥームストーンで見る星は、その一つ一つがとても力強い光で輝いている。星ってこんなに数が多く、それぞれの色や輝きが違うものなのか、そんなことを考えながら星空を見る。

すると段々と星の数が増えていることに気づく。段々と雲が流れ去っていってくれているのだ。私はこのまま天気が良くなってくれる期待で胸がいっぱいだった。
「晴れてくれ、晴れてくれ」
なんども残照が残る西の空に向かってつぶやいた。

自然のままのオーロラが見たい
光害のないユーコンのツンドラ地帯で
  1. オーロラのブレイクアップ
  2. 自然って一緒に見る人数で感じかたが変わる
  3. できることなら光害がないオーロラが見たい
  4. トゥームストーンでオーロラが見たい
  5. トゥームストーンでのキャンプ生活
  6. 「晴れてくれ、晴れてくれ」
  7. 撮影の準備を抜かりなく
  8. 最高のオーロラが現れた

著者プロフィール

小原玲 (動物写真家)

1961年東京都生まれ。群馬県立前橋高校在学中に「第3回高校生フォトグランプリ」(旺文社)のグランプリを受賞したことから写真家を志す。茨城大学人文学部卒業後、写真プロダクションを経て、フリーランスの報道写真家になる。LIFE、TIME、Newsweek、ParisMatch、ASIAWEEKなど世界中の雑誌で活躍する。