オーロラ王国 コンテンツ
自然のままのオーロラが見たい
光害のないユーコンのツンドラ地帯で

できることなら光害がないオーロラが見たい
動物写真家の私は今までにも何度もオーロラは見ている。シロクマの撮影でツンドラ地帯に改造バスを連結して泊まったときや、流氷の上で見た低緯度オーロラ、パイロットが電気を消してくれた飛行機の中から、オーロラのブレイクアップを見た事もある。感動したオーロラはむしろオーロラを目的にした撮影ではなく、野生動物の生息地やそこに向かう時にたまたま見たものだ。
また私はオーロラを撮影するために、いくつかの代表的なオーロラ鑑賞地を訪れたこともある。しかし、いつも気になっていたことがある。観光としてオーロラ鑑賞をするかぎり、どうしても拠点となる大きな街に夜のうちに戻って来れるような場所が鑑賞地になる。するとせいぜい街から100kmぐらいしか離れることがない。どうしても街の明かりが雲に映ってしまう光害の影響が無くならないのだ。
なのでオーロラを撮影する写真家たちは、ロケハン時にはオーロラの出る方向だけでなく、光害で雲が明るくなる場所も想定しながら撮影イメージを考える。
ホタル写真家の私は、今年「光害と生きもの」をテーマにした米国のドキュメント映画の取材を受けていた。生きものが光害によってどんな影響をうけているかを告発する映画だ。光害がない場所でのホタルは、ほんとに高く美しく飛ぶ。それが光に照らされると別物になる。
それを知っている私は、どうせオーロラを見るのなら光害の影響のない場所で見たいと常々思っていた。そしてそれを少ない人数で。
光害のないユーコンのツンドラ地帯で
- オーロラのブレイクアップ
- 自然って一緒に見る人数で感じかたが変わる
- できることなら光害がないオーロラが見たい
- トゥームストーンでオーロラが見たい
- トゥームストーンでのキャンプ生活
- 「晴れてくれ、晴れてくれ」
- 撮影の準備を抜かりなく
- 最高のオーロラが現れた
著者プロフィール
小原玲 (動物写真家)
1961年東京都生まれ。群馬県立前橋高校在学中に「第3回高校生フォトグランプリ」(旺文社)のグランプリを受賞したことから写真家を志す。茨城大学人文学部卒業後、写真プロダクションを経て、フリーランスの報道写真家になる。LIFE、TIME、Newsweek、ParisMatch、ASIAWEEKなど世界中の雑誌で活躍する。